生涯一度きりの手作り料理

私が父へプレゼントした料理は、エビチリです。

子供の頃から、両親共働きで忙しく、母も私に教える暇があれば、さっさと家事を終わらせたい人だったので、結婚するまで私が実家では家事をすることは、ほとんどありませんでした。
もちろん料理もその1つで、ほとんど何も作れないままお嫁に行きました。
それでも結婚してからは、仕事をしながら毎晩自炊を頑張り、それなりに料理が出来るようになりました。
結婚半年ほどして、実家の母が友達と旅行に行くことになり、それならばと父に新居に来てもらい、夕飯を振舞うことになりました。

振舞うといっても、市販のエビチリソースの素を使ったエビチリでしたが、初めて食べる私の料理に父は、こんなのが作れるようになったんだ。
と大変よろこんで褒めてくれました。
それ以降も、あの時のエビチリは美味しかったと何度も褒めてくれたのですが、エビチリ以来料理を振舞う事もなく、3年ほど経ち私も子供を出産し自分の生活に忙しくなり、父にあまりかまってあげられることなく数年後父は他界してしまいました。

今から思えば、もっと家に招待して、結婚以来どんどん上達していった料理をもっと振舞ってあげればよかったと、すごく後悔していますが、あの時のエビチリを食べた嬉しそうな父の顔は一生忘れられません。

これからは、旦那や自分の子供達にあの時のエビチリをいっぱい食べさせてあげようと思います。